生活保護費は2013年8月に8年ぶりに引き下げられました。生活扶助費を3年間かけて最大1割削減されます。
生活保護受給者数と受給世帯は、2013年7月時点でさらに増えて
- 受給世帯⇒158万8521世帯
- 受給者数⇒215万8946人
過去最多を更新しました。
高齢者世帯で増加傾向が続いています。
生活保護改革
- 物価下落時に据え置いていた保護費(生活扶助費)を引き下げる
- 不正受給対策を強化する生活保護法改正案
- 生活困窮者向けの自立支援法案
1だけが実施されたために秋の臨時国会で2と3を再提出することになっています。
なにがどう変わるのか?
生活保護改正案の内容とは
不正受給の罰金を「100万円以下」に。ペナルティーとして返還金に最大40%上乗せ。⇒今は、30万円以下で、加算金などのペナルティーはありません。
市町村が受給者の就労状況を調査できる。⇒今は、市町村は事務手続きをするだけでほとんど権限はないです。
- 申請する本人は資産や収入などを記した書類を提出しなければならない。
⇒今は、必要ありません。 - 扶養義務者が扶養に応じない場合、その人の収入や資産について市町村は報告を求めることができる。
1と2とも弁護士会などから批判が出たため再提出案には「特別な事情があるときは書類・報告は必要としない」との修正が加えられました。
申請する際の資産や収入などを記した書類や扶養義務者が応じない場合の書類は「特別な事情があれば不要」となりましたが、何を持って「特別な事情」と判断するのかはハッキリしてません。
親族の収入や資産が赤裸々になって迷惑をかけるから申請しない、というのもあり得ます。
生活困窮者自立支援法案とは?どんな支援をするのか
生活保護受給に至る前の人の自立支援を図ろうとする法律です。
- 実業して住むところを失った人に有期で家賃分を支給
- 一般の仕事に就く準備として生活習慣形成などの基礎能力をつけるための有期支援
- 一定期間内(3か月)の宿泊場所の提供や衣食の供与
- 「貧困の連鎖」防止のため、生活困窮家庭での学習支援や学び直し支援
生活保護法改正案と合わせ、保護制度が出来て以来、初めての制度改革となります。
自立支援の中身は就労支援になっています。困窮者には就労の前の相談支援が必要なのに、それが見えない内容です。
支援と言う名の無給のボランティアや最低賃金以下での労働が広がる可能性もあります。失業した人の家賃支援はありますが、働いていても生活できる額に届いてない人への支援については見えていません。
このような重要な法案が秋の臨時国会で審議されます。